1988年に公開された、スタジオジブリ制作の「火垂るの墓」は、両親を亡くした清太と節子の兄妹が、二人だけで戦時中の苦しい日々を過ごし、亡くなっていくまでを描いた作品です。
原作は野坂昭如さんの同名小説です。今回は節子について公開していこうと思います。
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火垂るの墓の節子は何歳!?
原作、アニメ版とも、兄の清太が14歳、妹の節子は4歳の設定となっています。
節子は缶入りドロップが好きで、いつも手元に置いていては、中をのぞき込んだり出してみたりを楽しんでいるような無邪気な女の子です。
両親とは早くに別れることになりますが、母親の記憶はしっかりあるようで、物語の後半辺りで、自分たちの母親をそっくりなぞったような口調で兄を慰めるところがあります。幼い子が大人の口まねをするかわいらしさと、二人きりなんだという事実を改めて感じさせる場面です。
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実在モデルはいるの?年齢は?
この作品は、野坂昭如さんの実体験を元に書かれていますが、野坂さんの妹さんは当時1歳4か月で、まだしゃべることもできない赤ちゃんだったようです。
小説やアニメの中では、兄妹仲睦まじく片寄せあって生きていく姿が、切なく胸を打ちます。しかし、野坂さん自身は、幼い妹にあまりかまうこともなく、疎ましく思ったこともあったらしいです。妹さんが亡くなった後、「ぼくはあんなにやさしくはなかった」と、十分な世話ができなかったこと、守り切れずに死なせてしまったことをとても後悔されていました。
しかし、妹を喜ばせるために、蛍をたくさん集めて蚊帳の中に放したエピソードは実話とのことです。
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声優さんは誰?
節子の声を担当したのは、白石綾乃さんです。当時は5歳。この作品の声の担当は関西出身の方が多いのですが、白石さんも関西地区の出身で、子役のお仕事をされていたそうです。
映画が公開される前後に、兄役の辰巳務さんたちと一緒にテレビ番組に出演されたものを見たことがありますが、節子を思い起こさせるような笑顔が印象的なカワイイ女の子だったと記憶しています。
アニメ作品の場合、できあがった映像に合わせて声を録音するアフレコを行うことが多いですが、「子供らしい声を撮りたい」との制作側の希望で、映像ができあがる前に、録音されたとのことです。
「火垂るの墓」以降はあまりお仕事はされていない様子で、2012年の火垂るの墓関連のイベントにも出席されていないそうです。
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最後にまとめ
実話とは異なる「4歳」の設定になったことで兄妹の会話が成り立ち、たわいない兄妹げんかも、愛情のやりとりも、コトバで表現されるようになりました。
置かれた状況は戦時中という厳しいものでしたが、4歳の子にはそれは理解できないことでしょう。ママゴトをしたり、キャッキャとはしゃいで駆け回ったり、平時と同じく、感じたままのコトバを発します。
悪化する戦況と節子の無邪気さとののギャップは、時に癒しであり、時に何とも言えない感情を呼び覚まします。
登場人物が、戦争は悪、戦争反対!と声高に叫んでいなくても、この作品はそれ以上の力で私たちに戦争の愚かさを伝えてくれているようです。
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